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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
最近発生した3つの大地震(日本海中部地震, メキシコ地震, チリ地震)について, 強震加速度記録から短周期震源スペクトルを推定し, 余震活動との比較を行なった. 日本海中部地震の場合は, 震源域を囲む多数の強震加速度記録の解析から, 短周期地震波を強く放射した領域とそうでない領域の識別が可能となり, 短周期地震波をほとんど放射しなかった北側領域では, 本震直後から現在に至るまで余震活動は著しく低いことが明らかになった. メキシコ地震の震源スペクトルの振幅は日本海中部地震と比較して約10倍ほど小さい. チリ地震についてはディジタルデータが入手できず, 詳しい解析は行なっていないが, 震源域真上の観測点で記録された最大加速度は, メキシコ地震に比べ5倍ほど大きい. この違いは観測点真下の地盤条件の違いでは説明できない. これら3つの地震で記録された最大加速度と本震後6ケ月間の余震(Mb≧4.5, PDE)の数との間には正の相関が見られ, 両者が共通の原因, 即ち, 震源域の不均質性に依存していることを示す. 1923年以降日本周辺に発生した35個の主な大地震(Mjma≧6.9)を対象に, 本震後30日間に発生した余震数の地域差を調査した. その結果, 相模トラフから琉球海溝に至る地域で発生した地震は, 日本海溝沿, または日本海側で発生したものよりも相対的に余震の数は少ないことが明らかとなった. この余震数の地域差はプレート境界の性質の違いを反映していると考えられる. Utsu(1980)によれば, 相模トラフから琉球海溝に至る地域は, 低周波地震の多いところでもある. Utsu(1980)の波形タイプと余震数の相関は必ずしも明瞭ではないが, 高周期タイプほど余震が多い傾向があり, 今後の詳しい解析により, 両者の関係を明らかにす予定である.
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