斜面崩壊の前兆としての微小地震の発生と崩壊予測の研究
Project/Area Number |
62601515
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
島 担 信州大学, 工学部, 教授 (60020955)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 微小地震 / 地すべり / 斜面崩壊 / 崩壊予測 |
Research Abstract |
1985年7月26日, 長野市地附山の山腹崩壊に伴う地すべりは幅350m, 奥行き700mの範囲に及び, 350万m^3の土量が流出した. この地すべりの発生に先立って, この地域を震源とする微小地震が観測された. 一方地すべりに到るまでの経過として土塊の移動状況はかなり把握されていたので, それとの比較により地すべり予測について解析した. 地すべり地域内において微小地震の発生は在来考えにくかったが, 地下深部に狭在している比較的硬い岩石における破壊現象が据えられた. 現場で採取された深さ500mにおけるボーリングコアについて超音波による速度測定ではP波で3.5〜4.0km/sec, S波で1.1kmの値が得られ, ポアソン比は約0.45であった. 地すべり地域内で得られた微小地震が鉛直下方に近いとすると深さは約85〜260mの範囲である. つぎに地表に設置された伸縮計の観測から得られた土塊の累積移動量の時間的経過は, 単位時間について移動量が一定であれば直線的に変化する. しかし移動量が加速されると累積移動量は曲線的に変化し, 破壊に到るとき移動速度は無限大となる. しかしこのような土塊の移動量から破壊予測を行うとき, 直線的変化から曲線的変化に移行する過程の議論にはいま一つ物理的根拠がうすかった. ところが地附山地すべりの8時間前に決定的と思われる最も大きい微小地震が発生し, その時間を土塊の移動量曲線に対応させると, その地震を境として移動量が直線から曲線変化に以降している事実が得られた. このことは地すべり地域下の岩層内で破壊が進行し, 震源より上部の媒質が完全に不安定となり, 重力の作用により表層土塊の移動を加速させている. このような観点で土塊の移動量変化から破壊時間を求めると, 地附山地すべりの発生時刻に一致する値が得られ, 破壊予測の可能性を示した.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)