Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Research Abstract |
1987年度, 現地踏査:通信・面接調査とそれらの手法から得られた資料を分析したのは, 1945年三河・1946年南海・1948年福井の3地震と1978年宮城県沖・1987年千葉県東方沖地震および1982年長崎豪雨・1986年台風10号災害, 1986年伊豆大島噴火災害についてである. 以下に結論的内容を要約する: 1.震度7のゆれ中の人間行動は危険回避の1行動にほぼ限定されるが, 昼間(福井)では主婦とそれに準ずる層の自宅における役割行動も認められその結果, 老・幼年層に加え, それらの属性の死傷者発生率が高められた. 2.震度7での死者発生率は深夜5〜6%, 昼間2〜3%, 負傷率の時間帯による差異は, それ程大きくなく, 深夜でその2倍, 昼間3倍程度である. 3.比較的最近の地震事例では死傷率は震度5で0.09%台, 6で0.1%台, 震度7の上記では数%〜10%台の震度-(死)傷率のオーダー的関係をうる. 4.伊豆大島噴火全島民避難, 比較的最近の地震事例から, 地震時, 特に大都市における車の問題は, 現在考えられているシステムでは規制できない. このことは, 1987年千葉県東方沖地震で, 一部顕在化した. また, 我国各地で行われている被害想定では地震火災の発生を予測しているが, 災害弱者, 主としてゆれ中に発生する重傷者(歩行困難者)の救急策は欠落している. 大島の消防団の活動を教訓とし, 地域に密着した市民組織の育成が緊急研究課題である. 南海地震津波でも, 幼・高齢・女性の死傷率が高い. 5.災害時に時には一般に騒音のため屋外スピーカー等による避難指示は実効性が低い. また, 住民は我身の危険の切迫を認知するまで避難しない傾向がある. 夜間の豪雨時などは特にそれが遅れるとともにルートを含め安全な場所の判断を誤ることも多い. 平常時からのきめの細い指導, 緊急時の避難誘導, そのための基礎調査(災害種別・モードに基づく, より安全性の高い場所・ルートの順位付け等)が必要である.
|