電磁環境とくに電子レンジの影響によるショウジョウバエの翅の奇形と遺伝性について
Project/Area Number |
62602041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
外村 泰子 東京女子大学, 文理学部, 助手 (40138821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島 利雄 北海道工業大学, 教養部, 教授 (90128827)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ショウジョウバエ / 電子レンジ / マイクロ波 / 翅の奇形 / 優性突然変異 / 出力電圧 / 羽化率 / 変異原性 |
Research Abstract |
近年電磁波の人体に及ぼす影響が懸念されているが, われわれは基礎研究としてショウジョウバエに電子レンジ(2.45GHZ, 出力55W)マイクロ波を被爆させる実験を遂行してきた. 1.の実験では, すでに1985年蛹化24時間の蛹を電子レンジで10秒間被爆させたものゝ中から現われた雄バエ遺伝性の翅の奇形についての遺伝子座の決定を行った. その結果ハエの翅の奇形は優性突然変異で既存のBxに類似し, X染色体中の59.3±0.3の座位に位置するものであることがわかった. 2.の実験は標準波長11GHZ/200mVのマイクロ波を蛹に照射し蛹の日令を出力電圧の関係を観察したところ, 被爆指せた蛹のマイクロ波の吸収率は発生段階の早い蛹ほど多く, 蛹化3日目頃から安定し, 羽化直前の蛹では少なくなることが明らかとなった. 3.の実験では, 2の実験の結果から吸収電圧の安定する蛹化3日目の同一体に, 1日おいてさらに同一量のマイクロ波を照射し, そのインターバルの効果を把握した. マイクロ波による被爆はインターバルをおくことで生体に回復力が働くことが示唆された. なおこの実験で得られたハエの蛹の奇形の出現頻度は2.3%であった. 4.の実験は成虫の原基培養器とみなされる3令後期幼虫に, 10秒, 30秒, 60秒, 90秒のマイクロ波の照射を行い, それぞれの照射区からの羽化バエ数をかぞえることから, マイクロ波照射時間に対するハエの生存率を求めた. これによると照射時間90秒では生存率がほぼ0%になり, 60秒程度の照射では50%になることがわかった. なお羽化バエのハエにみられる翅の奇形は, 照射30秒区のものに雌1・雄1の計2個体であった. 本研究によって得られた「マイクロ波と生体との関係は, 次にハエの翅毛スポットテスト法による体細胞突然変異検出計を用いて, マイクロ波の変異原性の如何を追求する. またマイクロ波被爆によってのハエの翅の奇形を電磁エネルギーと翅の奇形面積とで解析する.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)