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¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
この研究は, (1)浸透施設の現地盤に則した浸透性能の評価手法の確立, (2)施設の耐久性の向上, (3)流入水の水質とそれが周辺土壌並びに地下水に及ぼす影響, の3つのサブテーマに分けられる. 本年は主として課題(1)について研究を行った. 土中での飽和-不飽和浸透はきわめて非線型性の強い現象であるため, 小規模な現位置浸透試験から外挿によって大型施設の浸透性能を評価することが極めて困難である. したがって, ここでは, 小型の現位置浸透試験結果に飽和-不飽和流れの方程式を適用してその式中に含まれる土壌特性パラメータを逆推定し, 得られたパラメータを用いた数値シミュレーションモデルによって種々のタイプと寸法の浸透施設の浸透性能を評価する手法の開発を試みる. まず, 各種土壌に対して土壌水分量(θ)と吸引圧(4)の関係と透水係数(K)と吸引圧(4)関係の表現形式を吟味するとともに, 数値モデルとパラメータ逆推定のアルゴリズムが開発され, 鉛直一次元浸透の準解析解に対してそれらの妥当性が検証された. 小型現位置浸透試験としては, 二重円筒試験とボアホール試験が採用され, パラメータ逆推定の立場から, 試験規模と試験手法に種々の検討が加えられるとともに, 新たな試験装置が開発された. さらに, 千葉実験所構内の浸透試験サイトの近くに設置された実物大の浸透施設模型に対して, 段階的水頭で浸透試験を行い, 逆推定による土壌パラメータを用いた数値シミュレーション結果と比較することによって, 本研究で提案している浸透性能の評価法の妥当性を検討し, 良好な結果を得た. また, 施設の設計に必要な終期浸透能をより簡便に決定するために, 飽和-不飽和流方程式の定常解の適用も検討中である.
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