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¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本研究は, 活性酸素による突然変異誘発の機構, 活性酸素消去系が欠損した場合の自然突然変異頻度の変化, 活性酸素適応応答の機構と突然変異誘発への影響を検討することによって, 酸素ストレスの実体と防御系の本質的な役割を明らかにするのが目的である. 結果;(1)H_2O_2, O_2^-増産剤であるメチルビオロゲン(MV)は大腸菌に対して致死, 突然変異誘発作用を示し, umuDCオペロンの発現を誘導するが, これらの作用はいずれもkat, sod, recA遺伝子の変異によって増大される. H_2O_2, MVの作用は活性酸素によって生じたDNAの損傷に原因があることが分る. (2)例えば, H_2O_2をsub-letkalな濃度(致死効果の現れる濃度の約1/100, 通常は30μM)であらかじめ処理しておくと, その後のチャレンジのH_2O_2やMV, あるいはX線に対して抵抗性を獲得する. この活性酸素適応応答には少くともカタラーゼ(katG 遺伝子に支配されるカタラーゼ・HPI)の誘導合成と, さらにDNAの酸化的損傷を認識しうるエンドヌクレアーゼIVのde novoの合成が必須であることが分った. (3)大腸菌のsodAkatG二重変異株はカタラーゼ, SODともに欠損しているが, 通常のaerobicな条件下で生育させると, その自然突然変異頻度が野性株に比べて有意に上昇すること, 嫌気的条件下ではこのような上昇が見られないこと, MVなどの活性酸素増産剤を与えた場合その誘発突然変異頻度が著しく上昇することを見出した. この結果は, 通常の好気的な生育条件下でも, 呼吸などのせ生化学的反応の副産物として活性酸素が微量ながら不断に生じていること, その量はDNAに損傷を生じさせ突然変異をひき起こすのに十分であること, SODややカタラーゼなどの活性酸素消去系は通常ではこれらの活性酸素を無毒化して酸素のストレスを軽減させる役割を実際に果していることを示している.
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