Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
テーマに沿って沖縄島中部の石川市と具志川市にまたがる天願川(32Km^2)とその流域内の湧水を調べた. 結果, I)天願川流域の土地利用状況-1987年4月から約20回にわたって調べた結果, 土地利用がきびしく, 河川のすぐ近くまで畑地や居住地が侵入していることがわかった. このことは河川水の汚染や浄化を考えるのに大事なことだと思われる. II)沖縄県企業局が以前から天願川の塩素要求量を測定しているので, そのデータを整理した. その結果1973年5mg/l程度であったのが, それ以後は年々増加し1976年にはほとんどの月で10mg/lを, 1984年には15mg/lを越し, 1985年になると30mg/lを越す月も秋の終りから冬の間の5ヶ月間にわたっていることがわかる. 年を追うにつれて冬期の汚染が著しいことが目立っている. III)上流から河口域にかけての化学組成-本流の水は川崎川と合流前はそれほど汚れてないが, 合流後は汚染度が増す. 特に支流が汚れており, 住宅地からの三面張りになった支流は排水溝的性格が強い. それに直接家庭排水が河川に流入している所もあり, 河川に対する考え方が問われる. IV)地下水(湧水)の化学組成-14地点の水を調べた. MBASはどの試料でも検出されず,NH^+_4-Nは1地点だけで検出された. PO^<3->_4-Pも合流後の河川水と比べると低濃度であった. これらのことから地下水は未だそれ程汚染が進んでなく, 天願川にとって大事な水源だといえる. V)中流から河口域における四地点での連続観測-経時変化を調べた. 水位は朝から夜にかけて上昇し, 夜から朝にかけては下降して人間活動によって変動することを示した. PO^<3->_4-Pを例にとって下流域の2Km間における負荷量の減少量を求めたら20%と求められた. 以上天願川とその流域内の地下水の化学組成を中心に研究を進めてきた. この結果は琉球石灰岩地域の河川水, 地下水の汚染と浄化について大事な知見を提供し得ると思われる.
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