Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 眞 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70187128)
山根 久典 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20191364)
天野 忠昭 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (10005978)
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (60125549)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Research Abstract |
水の多段熱化学分解法による水素の製造において, H_2SO_4などの反応性の高い物質を高温下で使用することから, 優れた耐食材料を開発する必要がある. そこで, 装置を構成する材料にセラミック被履するのが有望である. 本研究では, その候補セラミックスとして炭化チタンを取り上げ, CVD法による炭化チタン膜の合成を試み, その合成条件と生成物の組織, 機構および諸性質との関係を明かにすることを目的とした. CVD法により, TiCL_4, CCL_4およびH_2ガスを原料として, 合成温度(Tdep)1473〜1873K, 炉内全圧力(Ptot)4〜40KPa, 原料ガス中のCCL_4/(TiCL_4+CCL_4)モル比(R)0.13〜0.91の範囲で炭化チタン膜が合成されることがわかった. 炭化チタン膜の結晶粒径は, TdepおよびPtotの上昇とともに増大し, 表面組織の形状は, 緻密な膜状から, 連続性の乏しい粒状に変化した. 炭化チタン膜の結晶配向性は, Rの減少およびTdepの上昇とともに(011)配向が顕著になった. 炭化チタン膜の格子定数はいずれのTdepでもRが0.3以上の条件ではほぼ一定の約0.4327nmであり, ほとんど化学量論組成(TiC1.φ)に近い炭化チタン膜が得られた. Rが0.5以下の条件では, 格子定数が0.4319nm〜0.4329nmの範囲の種々の組成の炭化チタン膜が得られ, Rの低下およびTdepの上昇とともに格子定数が減少した. 化学分析によりC/Ti組成比(TiCxのX値)を求め, 0.6から1の範囲の種々の値を有することがわかった. 種々の組成の炭化チタン膜のビッカース微小硬度を測定し, C/Ti組成比が0.6から1.0に変化すると, 硬度は2100から3300kg/mm^2に増大した. これまで, 耐熱鋼上へ被履された炭化チタンは薄膜であるため, C/Ti組成比を明かにするのは困難であった. しかし, 本実験により炭化チタン膜の格子定数およびC/Ti組成比と硬度の相互の関係が明かにされたことにより膜の硬度を測定することによりC/Ti組成比を推定できることがわかった.
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