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¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Research Abstract |
ZnseやZnS等のワイドギャップのII-VI族化合物の超格子薄膜を窓層に持つ高効率ヘテロ接合太陽電池を開発するには, 窓層となるZnSe, ZnSの成長において高品質化, 低温化を同時に実現する必要があるが, 本研究では有機金属を原料とした分子線エピタキシー法(MOMBE)を採用し, 今年度は超格子薄膜作製の準備段階として, GaAs上にZnSeやZnSを一層だけ成長し, 成長機構及び膜質, 界面特性の検討を行い, 以下のような結果を得た. 1.成長機構の検討:本研究では原料ガスを予め加熱分解するいわゆるクラッキングセルを取り付け, 基板温度及びクラッキング条件に対する成長速度の依存性を検討した. その結果, 原料ガスであるジメチル亜鉛とセレン化水素の各々のクラッキングの有無に対して成長機構を明らかにし, 両原料ともクラッキングすることにより, 極めて平坦性がよく, 高品質な結晶が得られることを示した. また同様にZnSについても検討を行った. 2.膜質及び界面特性の評価:MOMBEで得られたZnSe膜は残留不純物の少ない高品質の結晶であることがわかった. またGaAs上にZnSeの膜厚を変えて格子不整合が膜質に与える影響を検討した. ZnSe層が極めて薄い場合は膜中に歪を生じながらも基板に対してコヒーレント成長が起っているのに対し, 膜厚が増すにつれてこの歪を緩和するために転位等の格子欠陥が結晶中に生じることを示した. このように, GaAsとZnSeの格子不整合がわずかに0.26%と小さいにも拘らず, ZnSe中にはこの不整合のために欠陥が生じ界面近傍の結晶性の低下を招いており, ヘテロ接合太陽電池にとって格子不整による歪をなくすことが重要であることを明らかにした. 今後は, GaAs上にZnS-ZnSeの超格子膜を作製し界面特性を検討し, ZnSe/GaAs, ZnS/ZnSe/GaAsのヘテロ接合太陽電池の作製を行ない高効率化を図る予定である.
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