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¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 1987: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Research Abstract |
本研究は, 石炭の気流層型高温ガス化炉内の反応温度を低下させることによりガス化効率の向上を図るとともに酸素原単位を下げ, さらに炉内耐火煉互の侵蝕を抑制する新しい高効率ガス化プロセスを確立することを目的としている. 本年度では以下に示す成果が得られた. 1.気流層型高温ガス化装置を設計試作し, 石炭ガス化実験を行った. ガス化炉は燃焼室, ガス化学反応室からなっており, プロパンと酸素を当量比で旋回燃焼させ, 発生した燃焼熱および燃焼排ガスを利用して石炭をガス化した. 生成ガスは冷却後, ガスクロマトグラフで分析した. 生成ガスとして, H_2, CO, CO_2が検出され, チャーの反応率は0.8であった. 2.溶融温度が大きく異なる石炭灰分10種類に, 石灰石, 鉄鉱石などのフラックスを添加した時の溶融挙動を検討し, 灰分中のAl_2O_3が溶融に大きな影響を与えることを明らかにした. また急速昇温, 冷却法を用いて石灰石フラックスを添加した灰分の溶融に関する温度履歴の影響を定量的に把握した. この結果, 1200°C以下の温度では昇温度速度の影響は小さく, しかも添加率15〜25wt%の範囲においてのみ溶融, ガラス化が進行することを見いだした. 3.石炭のCO_2ガス化実験を, 石炭中の鉱物が溶融し始める温度域を含む950〜1600°Cの範囲において行った. この結果, 反応温度1340°C以上においても, 太平洋炭などの反応性の良い石炭と大同炭などの反応性の悪い石炭が存在し, 1200°Cを以下の反応性の序列と同様の傾向が認められた. また, 低融点灰分の石炭の場合には, 1300°C以上の温度において反応性の低下が認められ, 石炭中の鉱物の溶融によると考えられる比表面積の減少が測定された.
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