Research Abstract |
Mg, MnおよびSiを含有するアルミノホスフェートを水熱合成した. MAPO-5, MAPO-11, MAPO-36については, ゲルのpH合成温度, 合成時間などの合成条件が結晶化に及ぼす効果について詳細に検討し, 最適の合成条件を確立した. また, MAPOの固体酸性を吸着ピリジンの赤外吸収スペクトル, アンモニアの昇温脱離によって明らかにした. アンモニアの昇温脱離のスペクトルからは, MAPOの酸強度は比較的弱いものであると結論した. また, 赤外吸収スペクトルからはブレンステッド酸点とルイス酸点が共に存在することがわかった. MAPO-nの触媒特性を種々のモデル反応について調べた. n-ヘキサンのクラッキングを575Kで行なった. AIPO_4-5は全く活性を示さなかったが, MAPO-5, MAPO-36では転化率は1.1%および8.6%であった. 同条件下でY型ゼオライトおよびZSM-5ゼオライトは転化率8.4%および74.6%を与えた. MAPO-36の活性はY型とほぼ同程度であり, ZSM-5にくらべるとはるかに小さいことが分かった. 一方, MAPO-5, MAPO-11, MAPO-36, ZSM-5を触媒として, 流通系でメタノール転化反応を700Kで行なった. MAPO-5, MAPO-11, MAPO-36はそれぞれ, メタノール転化率16.3, 24.5, 35.4%を与えたが, 主生成物はジメチルエーテルであった. 一方, ZSM-5では転化率は100%であり生成物は炭化水素であった. この結果は, MAPO-nとZSM-5との酸強度の違いを反映しているものと考えられる. また, SAPO-11もかなりの収率で炭化水素を与えたが, 生成物の分布はZSM-5とは大巾に異なっていた. MnAPO-5, MnAPO-11のエタノール脱水反応に対する活性を, MAPO-5, MAPO-11の活性と比較した. いずれの場合にも, MnAPO-nはMAPO-nよりも高活性であった.
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