ガラス状高分子膜を用いた効率的気体分離に関する研究
Project/Area Number |
62603526
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
辻田 義治 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (70016591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 隆利 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (60135407)
滝沢 章 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90016262)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ガラス状高分子膜 / 気体分離 / 透過 / 拡散 / 溶解 / 熱処理 / 緩和 / ミクロボイド |
Research Abstract |
ガラス状高分子膜を用い気体の分離操作を効率的に行うために, 分離すべき気体のガラス状高分子膜への透過機構, 及びこの膜による分離機構を明解にし, かつ高分子物理・高分子化学の成果に従い, ガラス状高分子膜への気体の拡散性, 及び溶解性の物理的, 化学的制御を行い酸素・窒素分離膜への応用を検討する. ビニリデンシアナイドー酢酸ビニル交互共重合体膜のsub-Tgで熱処理により生ずる透過挙動の変化を膜の高次構造変化に対応するエンタルピー緩和・体積緩和を通して検討し, ガラス状高分子膜への気体の透過機構を明らかにした. sub-Tgで熱処理することによるエンタルピー緩和・体積緩和は主にTg以下の温度域での高分子鎖の凍結により生ずる分子間隙(ミクロボイド)を介するLangmuir型分子の溶解性・拡散性を減少させるのに有効に寄与していることが明らかとなった. この共重合体膜の酸素・窒素の分離性は, 気体分子の拡散性の違いがsub-Tgでの熱処理により増加することに起因して大きく向上し, sub-Tg(160°C)で30時間の熱処理によりその値は約12にまで達し, 他の高分子膜と比較して非常に高い値を示すことが見いだされた. 次に気体の溶解性・拡散性を向上させるために, 液体状からの急冷により得られた種々のガラス状高分子膜の選択透過性について検討した. 液体状態にある高分子をTg以下の温度に急冷すると液体状態で存在する大きな自由体積の多くをミクロボイドとして保持することが可能である. この急冷処理の効果を種々のガラス状高分子膜について検討すると, 液体状態からの急冷により生じたミクロボイドを多く含む疎な膜構造が気体の溶解性・拡散性を高めることに反映して, これらの膜の透過性は液体状態から徐冷したそれらと比較して高い値を示し, 効果的に作用することがわかった.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)