Research Abstract |
現在, 多方面の関心を集めている機能性材料は, 超伝導, あるいは導電物質に示されるように, 有機, 無機, 金属, さらに生体物質など多岐にわたっている. さらにこれらの材料は, 既存の物質に加えて, 新しい物理的, 科学的作製方法にもとづくものが多く, 構成因子の空間配置, 構成因子間の特異な相互作用, 直接的, あるいは間接的電子間相互作用が, 材料の機能発現に関与しているものと考えられる. 本研究, ならびにCo1研究班では, 特定の材料を対象とする縦断的, タテ系性格の研究と並行して, 材料の枠組みを超え, 原子, 分子レベルにたって材料研究の横断的, ヨコ系的性格を担う研究を行ない, 材料に関する基礎的研究に新しい突破口を見出すことを目標としている. これらの研究成果は 1.ヨコ系的材料研究の方向づけ 超伝導物質, 導電材料, 有機磁性体, 高分子機能材料, 金属クラスターなど多岐にわたる材料についての横断的研究を行なうにあたって, 機能, 作製法などによる分類に比して, 構成因子とその集合体との関連を考塾するに最も簡単な出発物質を, 元素と分子から組立てられる二つの材料に分類することにより, 金属性超伝導物質-分子性超伝導物質, 金属導体-導電性ポリマー, 有機磁性体-金属磁性体などの対比を通じて, 構成因子の空間配置, 分子レベルと集合体レベルの性質の関連性を追及して行くこととした. 2.有機超伝導体と酸化物高温超伝導体の有機発現機構の解明 (BEDT_2Cu(SCN)_2など有機(分子)超伝導体のTcが10Kをこえる物質が見出されたが, このNMR測定結果の解析などより, これらの非BCS状態と初めて確認した. また酸化物高温超伝導体の機能発現についても, これらの高いTcは, 従来からのバンド理論にもとづいた考え方が必かすじも正しくないことを示し, 有機物の高いTcの可能性を追求した.
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