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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
1.インターカレーション機構の解析と作製プロセス, 新規化合物の合成 (1)単体フッ素-グラファイト系におけるインターカレーション 単体フッ素と高結晶性グラファイトとの低温長時間反応(50°C, 1〜6ヶ月)によって, イオン性フッ素-グラファイト層間化合物CxFが生成することを見い出した. この反応は極微量のHFの存在によって強く触媒される. インターカレーション反応に関与する化学種(F_2-HF)のad initio MD計算の結果, F_2…HF超分子の生成と, この錯体へのグラファイト層からの電荷移動相互作用によって, 自発的にインターカレーションが進行することが明らかにされた. (2)F_2+HF溶液中における非揮発性金属フッ化物のインターカレーション 非揮発性金属フッ化物あるいはその塩であっても, F_2+HF溶液中における置換的インターカレーションによって, 空気中でも安定な層間化合物CxMFy(M=Sn,pb,B,Bi)を生成することを見い出した. この反応系は, インターカレーションに不可欠とされていた従来の物性的しきい値を越えて, 新規なフッ化物-グラファイト層間化合物の作製プロセスに新たな指針を与えるものである. 2.格子構造, 電気的性質と物性・機能 CxFyとも, sp^2グラスファイト構造は完全に保存されており, 10^5S/cmの高いab-面内伝導度と金属的性質を示す. 特にCxFの伝導電子は自由電子に近く, 電荷移動量と結晶子径は, それぞれ0.25, 〜300〓である. また, CxFのC-軸伝導度は194Kに極小値を示し, 金属→半導体転移が見い出された. さらに, CxF, CxMFy/1MLiclo4-PC/Li試験セルは, 4〜4.2Vの高い超電力を示し, 高エネルギー密度一次電池活物質としての可能性を示した.
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