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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
1.含フッ素シリカゲルの合成:出発原料のフッ素源としてSiF_4気体を用いる方法とH_2SiF_6溶液を用いる方法について検討し, いずれの場合も原子百分率で10%程度の含フッ素シリカゲルの作成に成功した. SiF_4気体を用いる方法は反応が急速に進行するため, フッ素ドープ量の微調整は困難ではあるが焼結性の良い微粉体の合成に適している. 一方, H_2SiF_6溶液を用いる方法は出発溶液のフッ素濃度でゲル中のフッ素含有量を調整できる. また, 薄膜やMonolithicなもの>作成に適していることが解った. 2.加熱時のフッ素の挙動:含フッ素シリカゲルは1000〜1200°Cの加熱でガラス化するが, それまでに多くのフッ素はSiF_4として逸散し, その挙動はゲルの合成法によって異る. この脱フッ素過程は拡散支配ではあるがゲルの焼結性に依存し, 焼結性の高いゲルほど脱フッ素が抑えられることが解った. 3.シリカ中のフッ素の結合状態と安定性:シリカならびにガラス中でのフッ素の挙動をより適切に理解する目的で半経験的分子軌道法, MNDO, ならびに分子動力学的シュミレーションによる研究を行った. Si-F結合はSi-OH基に対して唯一安定なハロゲン結合であると共に, シリカ中に均一にドープされることが解った. この事実は光通信用ファイバーに有害なシラノールの除去にフッ化物イオンを含む溶液のゾル・ゲル法が有益であることを意味する. 4.フッ素化したシリコンエトキシドの熱力学的性質:フッ素化したシリコンエトキシド{Si(OC_2H_5)_<4-n>Fn}間の反応について質量分析法を主体とした平均測定を行い, n=1〜3のフッ素化シリコンエトキシドの熱力学的性質を明らかにした. さらに, これら化合物間の不均化反応についての知見も得た. これらの結果は本研究の最終目的であるゾル・ゲル法を利用したフッ素ドープシリカ合成の際のシリカネットワーク形成反応設計の基礎知見となるものである.
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