Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
解毒, 代謝などの多岐にわたる機能をもつ肝細胞を固定化した新しいハイブリッド材料の調製を本研究の目的とした. 本年度は従来培養とその機能保持が困難であった肝実質細胞の短尺初代培養技術の修得と改善に主力を投じたビーグル犬よりコラーゲネース潅流法により肝組織を消火し, 低速遠心法により肝実質細胞を分離した. これをWilliam'sE培地中5%CO_2下約2時間incubateし接着伸展させ, 以後L-15を基礎とする培地にて培養した. 培養担体はコラーゲンコートしたガラス板を用いた. また機能評価は糖新生能, 尿素合成能, アルブミン合成能, TAT活性などにより行った. 培地に種々の機能制御物質を添加し肝細胞の長期生存と機能発現を目的とする実験を行ったところ一定量のプロリン, アプロチニン, インシュリン, グリカゴン, デキサメサゾン, 表皮細胞増殖因子を加えた培地で少くとも一ケ月以上の長期にわたって生存し続ける条件を発見できた. 培養2週間目で糖新生能10ng/ugDNA/min, 尿素合成能3.6ng/ugDNA/min, アルブミン合成能29ug/10^6cells/dag TAT活性2.0U/ug DNAでありこれらは生体内にあるときの最高レベルの機能であった. この培養肝細胞を固定化したガラス板を積層したモジュールを試作しその機能を評価すると, 糖新生能383Amg/モジュール/h, 尿素合成能3.7mg/モジュール/hなど生体肝の代替えができる程の性能をもち このままで血液の体外循環装害に組み込み, 人工肝装置として劇症肝炎などの治療に使用できる程であった. 本研究の成果は細胞を固定化したハイブリッド材料による肝臓病治療に新たな可能性を見出すことができたと云う点で画期点である.
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