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¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
窒化アルミニウム(AIN)は, 直接遷移型の禁制帯(〜6.2eV)をもつIII-V化合物のひとつである. 単結晶からアモルファスまでの薄膜がそれぞれ示す超高音速, 圧電性, 高融点, 高熱伝導性,Si及びGaAsに近い熱膨張率をもつといった特徴から, 弾性表面波素子, 紫外〜青色発光素子, 光IC素子, パッシベーション膜, GaAs熱処理保護膜, 耐熱コーティング膜, 高放熱パッケージ材料として近年注目されはじめた材料である. 本研究では, AIN薄膜を上記の広範囲の応用に供するために, 我々が研究を進めている原料ガスに有機金属トリメチルアルミニウム(TMA)とアンモニア(NH_3)を用いたMO-CVD法を用いて, 「成長法と制御」の確立を目指す. 具体的には, (1)格子不整合を緩和する手段, (2)低温成長, (3)成長雰囲気の高清浄化並びに原料物質の高純度化の3項目について研究を進める. 本年度は, 特に格子不整合緩和手段について研究を行った. エピタキシャル膜の表面平坦性, 結晶性の向上のために, 原料ガスの基板に到達する順序と結晶性の関係を調べたところ, NH_3がTMAよりも先に到達した方が結晶性がすぐれていることがわかった. そこでAI_2O_3基板にNH_3のみを流して基板表面を観察したところ, AI_2O_3基板表面が窒化されAIN単結晶層が形成されていることが明らかになった. AIN成長前にAI_2O_3基板を窒化してバッファ層を形成してからAIN膜を成長すると表面形態が従来よりも改善された(AI_2O_3基板初期窒化法). 現在, 「AI_2O_3基板初期窒化法」を用いて, AINとAI_2O_3基板間の格子不整合を緩和し, AIN単結晶薄膜の結晶性のより一層の向上を目指している. 以上の様に研究計画に沿って研究は進展しており, 次年度以降の研究の見通しは立っている.
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