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¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
金属アセチルアセテート(M-AA)をプラズマエネマギーによって, 高分子化すると同時に積極的に改質し, 発現される有機高分子と金属との自己組織化高次構造化を行ない, それに基づく新規の機能材料の合成を目的としている. 本年度は, 種々の金属アセチルアセトナート(M-AA)プラズマ重合膜の電子的特性を検討した結果, M-AA重合膜の電導度が中心金属の標準電極電位によく対応すること, およびZnAA重合膜が10^<-5>%程度の光電変換能を有していることを見出した. また, ZnAAプラズマ重合膜の電導度が酸素を共存させることによって10^<-2>から10^<-0>S/cmと増大することも明らかになった. 以上の知見およびCuAAのプラズマ還元挙動から我々は, プラズマ反応によるM-AA重合膜形成の反応スキームを次のように明らかにした. CuAAは先ず, プラズマによって還元され, 配位子と金属原子に分離する. 次に, プラズマエネルギーによって, 金属クラスターの形成, 金属微粒子の生成, 結晶成長が生じ, 金属相を形成してゆく. 配位子は重合反応が進みプラズマによるアプレーションを受けながら有機相を形成してゆき, 金属-有機多相系高次構造を形成する. さらにプラズマエネマギーを供給されることによって, 最終的には金属薄膜が形成される. 以上のように, M-AAのプラズマ重合による高次構造の形成は, 膜の色や電導性を変化させるだけでなく, 光電導性, スイッチング特性, 電子線パターンの形成といった新規な機能を発現させることがわかった. このような M-AA重合膜の種々の電子機能の発現は重合膜の高次構造と密接な関係がある.
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