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¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Research Abstract |
1)超高純度化合物半導体結晶の精製と格子欠陥の評価の研究 まず, 代表的I-VII族化合物半導体である超高純度AgCl, AgBr結晶の精製を, 特殊帯溶触法によりさらに推進すべく準備した. また, 代表的II-VI族化合物Cds材料の現状評価を, 光伝導や発光測定などをとおして広く調査し始めた. 2)高密度励起状態など極端状態での化合物半導体の高速時間分解光物性の研究 まず, 上記の超高純度AgBr結晶について, 高密度励起状態でのナノ秒域での高速時間分解発光測定を行い, ポーラロンや励起子系の凝縮機構を調べるために, より広い温度領域での励起子や励起子分子発光帯の観測を行っている. また, これら素励起の光検波ESR(ODMR)の測定の準備をも行っている. 3)強磁場, 高電場内での伝導電子やポーラロンによる非線形現象や反転分布状態, コヒーレント状態への凝縮などによる伝導の制御の研究 強磁場, 高電場内でのポーラロンの非線形光伝導現象や, マイクロ波応答の観測を, 特に超高純度AgCl_×Br_<1-X>結晶で行った. 電場に対して規格化された磁場ζ=H_2/cE_×に対するホール角θの特色ある依存性の結果から, AgCL結晶内では伝導電子系のみが自由運動し, AgBr結晶内では伝導電子, 正孔系ともに自由運動することが理解されているが, 超高純度AgCL_×Br_<1-X>結晶内のポーラロン系に対してもxによるその変化の様子を示す結果を得た. そこで, これらの基礎に立ち, II-VI族化合物半導体の代表的存在であるCdS結晶についても, 同様に強磁場, 高電場内での伝導電子系による光電流成分の観測を行った. この物質では, 伝導電子系はピエゾ型ポーラロンを形成すると考えられるため, その特色をこれら非線形パルス光伝導現象や反転分布状態をとおして調べる準備をし, 予備的結果を得た.
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