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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本研究は, 新しい評価方法を用いて長期の血液適合性の発現機序や破綻の原因を明らかにし, 血液適合性材料の設計条件を確立する基礎を築くことを目的とするもので, 本年度は以下の研究を行った. 1)材料の長期のin-vivaでの抗血栓性の評価とin-ritroでの評価結果の比較10種類のポリウレタン系材料をサック型人工心臓ポンプの内面22箇所に塗布し左心バイパスとしてヤギに装着し, 種々の流量下で1〜2週間駆動し, 各材料表面の血栓の付着の様子を肉眼および走査電顕で比較した. 次に同じ材料のin-ritroの実験を行った. 犬の全血を用いて全血凝固時間, 補体系の活性化, 凝固系の接触相の活性化を調べた. in-vivoの結果では, 血栓の生じる程度はポンプの流量によって異り, ポンプの流量が一定値以上では肉眼的には血栓を認めないが, 走査電顕的には微小血栓の形式を認めるものがあり, 各材料間の抗血栓性の差異が再現性をもって求められることが判った. この結果主鎖にポリジメチルシロキサンを含んだポリウレタン(KP-13)が最も抵血栓性が良いことが判った. in-vitroの結果でもこの材料は最も優れた結果を示したが, 他の材料の抗血栓性はin-vitroとin-vivoの結果は必ずしも相関がなく, 流れなど他の因子の影響が考えられた. 2)KP-13の人工血管としての応用の試み KP-13を用いて直径3mmの小口径人工血管を試作した. 小口径人工血管の問題点である縫合部のパヌス形成を防ぐために, 人工血管の中央は平滑面に, 両端を小孔を有した粗面とし, 縫合部の血液適合性は粗面上の偽内膜で中央部は平滑面でそれぞれ確保することを考え試作し動物への植込実験を行った. 粗面の孔の密度, 偽内膜形成過程, 粗面と平滑面の抗血栓性などについて調べた. 結論にまでは到っていないが, 偽内膜の形成には孔の密度が高い方が有利なこと, 粗面の存在が必ずしも有利でないことが判った.
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