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¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
重合や硬化といった材料化時の体積収縮は材料科学の分野において大きな問題となっており, 体積収縮を示さない材料が生まれれば多くの分野での応用が期待される. 本研究では, 新しい機能材料創出にはモノマーの分子設計が極めて重要であると考え, 非収縮性機能をもつ基本骨格の高次機能化による新しいモノマーの合成とその非収縮性材料への応用について検討した. 1.(1)ラジカル重合性基をもつ非収縮性モノマーとして, 分子内に二つのスチリル基, エリル基, 及びエキワヌチレン基を有するスピロオルトカーボナート(SOC)を合成した. また, 側鎖にスピロオルトエステル(SOE)をもつアクリラート, メタクリラートを合成した. (2)スチリル基及びアリル基をもつSOCは, それぞれラジカル開始剤による重合によりビニル重合体, カチオン触媒による重合により開環重合体を与えた. また, 両方の重合を併用することにより, 架橋体を得た. これらの重合では, カチオン重合で体積膨張し, ラジカル重合により体積収縮を示す結果となった. また, SOE型(メタ)アクリラートは, ホモ重合又はスチレン等の汎用モノマーとの共重合により側鎖にSOE基をもつポリマーう与え, これらはカチオン触媒により, 体積膨張を伴って架橋した. (3)アリル型SOC及びエキワメチレン型SOCとジチオールとの反応により, 主鎖に非収縮性機能団を持つポリスルフィドが得られ, 酸触媒により, 体積収縮することなく架橋体を与えた. 2.スルホニウム塩構造を持つスチレン誘導体と非収縮性機能団をもつビニルモノマーとの共重合により, 熱により自己触媒架橋機能を有し, しかも硬化時に非収縮性を示す新しいポリマーを合成した. 3.その他(1)新しいヘテロ原子置換モノマーの合成と重合挙動を検討した. (2)パーフロロアルキル基を側鎖にもつSOEモノマーの合成と重合について検討した. 4.二官能性非収縮性モノマーの合成等については現在検討中である.
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