Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
高分子ミクロスフェアの特徴を活かし医用機能材料として応用する事例のうち, 本研究では次の3件について検討を行った. 1.顆粒球によるラテックス粒子の貧食における共存タンパクの影響 0.3μm程度の大きさの高分子微粒子は, その電荷の絶対値がゼロから離れるほど, また疏水性であるほど顆粒球に貧食されやすいが, その被貧食性はアルブミン, グロブリン, フィブリノーゲンの存在によって著しく影響される. これは, 高分子微粒子に吸着したタンパクがそれぞれ独自の作用により微粒子表面の特性を変化させるためである. 上記三血漿タンパクの共存系では被貧食性は複雑な経時変化を示した. 2.免疫グロブリンGの配向制御と抗原抗体反応 免疫グロブリンGをFabとFcフラグメントとに加水分解して, 両者をラテックス粒子に競走吸着させると, 両者の吸着量はpHに大きく依存した. これは, 吸着がFabフラグメントでは主に静電的な力で, Fcフラグメントでは疎水的な力でなされているためであり, この違いを利用すると, Fc側だけを粒子表面に向けて抗体を粒子に結合させることができる. この時, 適度に親水性の表面を持った粒子を用いると, 後処理の工程を省いたラテックス診断薬を調製できる. 3.エステル部にドラッグを結合させたプロドラッグラテックス 血流pHでは加水分解されないが肝臓内など低いpHでは適度な速度で加水分解されてドラッグを徐放するラテックスを開発した. リポソームやマイクロカプセルと異なり月単位の長期ドラッグ徐放担体として活用でき, 被貧食過程を有するシステムに有用である. 材質としては適度に親水性の高分子が優れていることが確かめられた.
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