Research Abstract |
本研究の参加者は, いずれも確立された研究者であり, それぞれの領域で成果をあげているので, あえて統一適アプローチを求めず, 共通の問題意識の下で, それぞれに研究を行った. しかし, 研究の進行状況を報告しあい, 他の研究者からのサジェスチョンを得る目的をもって, 62年7月の大磯会議以後, 3回の研究会を行った. 62年9月(東京), 62年12月(東京), 63年1月(京都)である. その他, 各自, 資料の閲覧, 諸研究者との意見交換のための国内出張を行っている. 研究報告の主要な内容を概括すると, 岡部が, 歴史的背景にさかのぼって, 日本と中国の社会的文化的相違にそれらが日中両国の発展に及ぼした結果, 日中関係への影響等を中心に研究した. 西原は, インドネシアと日本の相互依存関係のプラス面のみでなくマイナス面をも検討する目的をもって, 日本, インドネシア間の非対称性の研究を行った. 毛里は, 19世紀にさかのぼって, 中国の対外開放政策の源流から現在までの流れを検討し, 伝統と現代との関連を含め, 幅広い研究を行った. 吉川は, フィリピンの対中対日対米外交の検討を通して, フィリピンのかかえる内外政策の問題点を研究した. 山影はASEANの統合について, 通説とは異なる観点からの研究を行うため, ASEAN内のNGOの研究, ASEAN諸国の国連における投票行動の一致度等を検討した. 63年1月の研究会においては, 以上のような進行状況の総括的報告とそれをめぐる討論を行い, 次年度の研究への課題を明らかにすることにつとめた.
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