光励起分子の振動回転固有状態コヒーレンスの生成及び緩和に関する理論的研究
Project/Area Number |
62606002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤村・勇一 東北大学, 理学部, 助教授 (90004473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 裕彦 山形大学, 工学部, 助手 (70178226)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | コヒーレンス / コリオリ相互作用 / 多光子イオン化 / 偏光異方性 / 量子ビート |
Research Abstract |
本年度は研究課題のなかで重要な次の二つの問題の理論的解明を行った. 1.光励起分子の振動回転固有状態コヒーレンスの生成とその時間発展に関する理論・多原子分子の光励起状態で振動-回転相互作用(Coriolis相互作用)が働いている場合は, パレス励起により, これまで知られていた回転状態コヒーレンス(J-coherence)に加えて, 新しくrovibronic-coherenceが生成される事を明らかにした. これら二つのコヒーレンスの時間発展が時間分解多光子イオン化偏光異方スペクトルにどの様に反映されるかを, 密度行列法の手法を用いて, そのスペクトル表式を定式化した. その結果, スペクトルを解析する事により, 光励起状態で働いている相互作用のタイプの決定(a軸又はb軸Coriolis相互作用であるか), 及びそれらの相互作用の大きさが評価出来る事を示した. 2.光子場と多準位分子が成る全系の運動方程式を密度行列法により組立て光子場の非定常相関関数を含む時間分解多光子イオン化確率の定式化. 光子場の非定常効果及び, 分子の多準位構造を含む多光子イオン化確率の式を, Liouville空間に於けるFeynmanダイヤグラムの方法を用いて定式化した. この一般式から(1+2)三光子時間分解スペクトルの定式化を行い. 分子状態コヒーレンスの生成の結果恐れる量子ビートが, 励起光源の非定常パルス不安定性によりどの様に影響をうけるのかを明らかにした. 又この三光子過程の機構(同時的か段階的過程か)を明らかにした. 本研究の今後の発展として, 大振幅振動を行っている分子の光エネルギー緩和機構の解明, 及び, 極超短パルス励起(フェムト秒)で生成される光励起分子状態コヒーレンスの生成及び緩和過程の解明を行ってゆきたい.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)