Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 博通 城西大学, 理学部, 教授 (80160208)
高見 道生 理化学研究所, 主任研究員 (40087440)
笛野 高之 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60029387)
田中 武彦 九州大学, 理学部, 教授 (00011586)
清水 忠雄 東京大学, 理学部, 教授 (90011668)
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Budget Amount *help |
¥33,700,000 (Direct Cost: ¥33,700,000)
Fiscal Year 1987: ¥33,700,000 (Direct Cost: ¥33,700,000)
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Research Abstract |
1.励起分子の振動スペクトルを高感度高分解能で検出し, その解析を通じて励起分子の動的挙動を明らかにするため, 赤外半導体レーザー分光システムを設置した. 光源部は市販のものを用い, 波数測定装置, 多重反射放電吸収セルなど周辺装置を整備した. 以上により励起分子の赤外スペクトル観測が可能になった(田中). 具体的な活性分子としてハロゲン間化合物clf, BrF, Brclをとりあげ, また高温ではじめて生成するLil, Nacl, Pbo, LiDH, NaOH等の振動スペクトルの検出に成功した(上原). 2.高い振動準位における分子の特異的な振舞を追求するためのアンモニア分子をとりあげ, N-H伸縮振動のu=2, 4, 5, 6の状態を検出, 基準振動と局在振動の間の移行等について詳細な知見をえた(清水). また低い基準振動をもつため2000cm^<-1>の領域ですでに5×10^4/cm^<-1>という高いエネルギー準位密度をもつFeCCD)_5をとりあげ, 分子線の状態でY_6振動(2038cm^<-1>)を詳細に検討した. また(N_2O)_2, (C_2H_2)_2, (C_2H_2)_3, C_2H_2Ar, BF_3Ar, BF_3Kr等の錯体についても同様の観点から検討を行った(高見). 3.赤外動力学的分光法を開発し, これをアセチレン193nm光分解に応用した. 生成したCCHラジカルのν_2+ν_3-ν_2, 7ν_2-ν_2の他ν_3からより高い振電状態への吸収バンド2個を検出した. 以前観測したν3バンドについての結果と併せ, 上記光解離過程を詳細に検討した. またD化物についても実験を行い, CCDν_3バンドを観測解析した(廣田). 4.準安定励起分子の理論的研究では, 未知分子HNO_2の最低一重項状態が2.6eVの励起エネルギーをもつこと, 一重項エチレルニトレンの分子内挿入反応のエネルギー障壁が6.4Kcal/molであることを見出した. 一方NH(^1Δ)+ND→N_2O+Hの理論的予測を実験的に確認し, またNH(^1Δ)がイシブタンからHをひきぬく反応は挿入反応と同程度に高速であることを見出した(笛野).
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