Research Abstract |
金属表面上のCO酸化反応などについて, 励起分子の利用あるいは生成励起分子の検知という観点から研究を進めた. 本年度は, 依然から進めてきたpt表面上のCO酸化反応における生成CO_2の振動・回転状態の検討につづき, pdについてもデータ解析などを行い, ptとの比較検討を行った. また, 新らたに, プラズマ励起・流通型触媒反応装置を設計・製作し, 昇温脱離(TPD), 昇温反応(TPR)測定による励起分子(原子)の動的挙動の検討を開始した. 1.赤外発光法によるpd上のCO酸化反応 pd表面上で生成したCO_2励起分子の赤外発光スペクトル(2400〜2100cm^<-1>領域)を解析した結果, pdの場合, ptと比較し, 振動温度(Tv)が高いことがわかった. (Tv=2000K, 触媒表面温度900K). また, ptの場合と異なり, 表面酸素濃度を変化させてもT_vはほぼ一定であった. 以上のように, ,ptとpdで, エネルギー状態まで含めたダイナミックスの挙動は大きく異なることが示唆され, スペクトル強度とシミュレーションから, pd表面では, 折れ曲ったCO_2活性化構造を提案した. 2.プラズマ励起・流通型反応装置による励起吸着と触媒反応 通常の化学吸着では不活性である触媒系(例, N_2/pd)に, 励起分子を作用させ, 吸着分子(または原子)の触媒作用を調べることを目的とし, 高周波プラズマ励起・TPD, TPR装置を製作した. 現在, N_2励起の予備実験は完了し, 励起吸着実験を開始できる段階にある. また, これに関連し, 酸化ニオブ添加Rh/SiO_2触媒における高温(200〜500°C)水素の吸着のTPDスペクトルを測定し, 高温吸着ほどTPDピークが高温にシフトする現象が見い出された. この現象とSMSI(強い金属・担体相互作用)との関係についても検討中である.
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