過渡ラマンバンド形解析による溶解中の電子励起分子の振動ダイナミックス
Project/Area Number |
62606507
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濱口 宏夫 東京大学, 理学部, 助教授 (00092297)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 電子励起分子 / 過渡ラマンスペクトル / バンド形解析 / 溶媒和ダイナミックス |
Research Abstract |
本補助金により購入したシングルポリクロメーター(Seex 1870)をJ会合体フィルターと組合わせて使用することにより, 従来から使用していた過渡ラマン分光システムを改良しS/N比を約一桁向上させることができた. この新システムにより溶液中のS_1トランス・スチルベンの過渡ラマンバンド形のレーザーパワー依存性および溶媒依存性を詳細に検討した. その結果以下の点が明らかとなった. 1.バンド形のレーザーパワー依存性は強いレーザー光電場による飽和効果(パワーブロードニング)ではなく, S_1状態での溶媒和過程と光によるSn←S_1光励起との競争に由来するものである. 2.無極性溶媒(ヘキサン)中では二種の異なる構造を持つS_1種AおよびBが存在する. 3.光励起直後にはA種が生成するが, これはピコ秒の時間スケールでB種に緩和する. 4.極性溶媒(アセトニトリル)中ではA種が安定であり, したがって溶媒和によるバンド形の変化はおこらない. 5.A種とB種は主として中央の二重結合部分の構造が異っており, 前者のC=C二重結合振動数は後者より約10cm^<-1>低い. このように過渡ラマンバンド形の精密解析から光励起直後の電子励起スチルベン分子の溶媒和による構造変化のダイナミックスが明らかとなった. この種の情報は既存のどの分光手法をもってしても得難いものであった.
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Report
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Research Products
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