光化学初期過程で生成する励起ラジカルの生成機構とスピン保存則
Project/Area Number |
62606508
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
疋田 巧 東京工業大学, 理学部, 助教授 (60016144)
|
Project Period (FY) |
1987
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Keywords | 光パルサー / 真空紫外光 / 寿命測定 / NHラジカル |
Research Abstract |
本研究はNH_3, HN_3, HNCOの3種類の気体試料を水素原子線(Lyma -α121.6nm光で照射し, えられるNH励起ラジカルの発光を測定したものである. 1.NH_3を121.6nm光で光分解するとNH(C^1π)のみの発光がえられた. 励起エネルギーより考えて分解反応はNH+H_2と考えられる. すなわち, この場合, 分解はスピンを保ちながら起きていると考えられる. O_2やXeを加えるとNH(C^1π)→NH(A^3π)交間交差がおこり, C′πの発光が消光され, それにかわってA^3πの発光が強くなる. 2.HN_3を121.6nmで光分解するとNH(C^3π)NH(A^3π)の両方からの発光がみられる. パルス励起により発光の減哀曲線を測定したところNH(A^3π)の発光には寿命の長い成分(2μs, 18μs)が関与していることがわかった. このように長い寿命はNHの励起状態によるものとは考えられないことからこれらを分解により成生するN_2の励起状態であると考えた. 3.HNCOを121.6nmで光分解するとNH(C^1π)およびNH(A^3π)の発光が観測された. それぞれの発光強度はNHCOの圧によらず一定であること, ならびに発光強度の時間変化に立ち上りにおくれがないことなどからNHCOの分解はスピンを保存していないものがあると結論した. 結論として, NH^3, HN_3の121.6nm光による光分解ではスピンを保存しているが, HNCOの場合には保存されていないことが判明した. いずれもほぼ同じような大きさの分子であるのになぜこのような違いがでてくるのか, 大変興味深いことであるが, 現在のところよくわかっていない.
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)