メトキシフェニルチオメタンを用いる新増炭素手法の開発
Project/Area Number |
62607521
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
大寺 純蔵 岡山理科大学, 工学部, 教授 (20131617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 恒夫 岡山理科大学, 工学部, 助手 (80183383)
野崎 一 岡山理科大学, 工学部, 教授 (40025763)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | メトキシフェニルチオメタン / 1, 1-双極子 / フェニルチオ転位 / 1, 4-付加反応 / ザルコマイシン |
Research Abstract |
1.メトキシおよびフェニルチオメチレン1, 1-双極子等価帯の創生 メトキシフェニルチオメタン(〓)のアルキル化体とアリルスズまたはアレニルスズとの反応が共存するルイス酸により劇的に変化することがわかった. すなわち, BF_3OEt_2の存在下ではホモアリルエーテルが, Ticl_4存在下ではホモアリルスルフィドが選択的に生成する. 本反応は異種官能基の存在とルイス酸のヘテロ原子に対する親和性の差を巧みに利用したものであり, アセタール類のアリル化に新局面を拓くものである. 2.チオフェル基の転位を利用した求核剤の導入 〓とケトン, アルデヒドとの付加体をケイ素置換求核剤とルイス酸存在下に反応させるとフェニルチオ基の転位を伴って求核剤が導入されることが明らかかにてった. 本反応はα位のメトキシ基の存在がエピスルホニウム中間体の生成を容易ならしめるために起こるものであり他のイオウ含有炭素延長剤には認められない特異な反応である. 本反応生成物は三種類の官能基を有するので有用な合成中間体となり得る. 3.高選択的1.4-付加反応 〓のシリル化体のリチウム塩が環状α, β-不飽和セトンに選択的に1.4-付加し, さらに中間体エノラートにinsituでハロゲン化アルキルを作用させるとα, β-ジアルキル化がohe-potで達成できることが判明した. 本反応の特徴は, 通常起こりにくいα位のアルキル化がα^1位への異性化ならびにシロキシ基の脱離を伴うことなく進行する点にある. 生成物は容易にα-シリルケトン, カルボ酸, アルデヒドに変換することができる. 従って本反応により, α-シリルアシル基, カルボキシル基, およびホルミル基等価体の1.4-付加が実現したことになる. この反応を利用して制ガン剤ザルコマイシンの合成を行った.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)