固体表面上の二次元および三次元凝縮相の物性と反応性に関する研究
Project/Area Number |
62609502
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
豊嶋 勇 北海道大学, 触媒研究所, 教授 (80001709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 勝己 北海道大学, 触媒研究所, 助手 (30155121)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 凝縮相 / 解離吸着 / Si(111) / シリサイド生成 / 酸化マグネシウム / メトキシメチルシラン / 電荷移動 |
Research Abstract |
特定の機能をもつ表面物質相として, 相互作用をもつ二次元凝縮相, さらには三次元凝縮相を作製し, それらの物性を調べると共に創製された表面で起こる特異な反応性を研究することは重要である. そのために, 1:半導体(Siを中心)/金属の組合せによる電荷制御と反応性, 2:金属(酸化物)上での金属アルキル化剤の挙動などを作製しそれら表面の評価と反応特性を電子分光法で調べた. その結果(1)Ni/Sio_x/n-Si(111)系ではSio_xの膜厚が薄いときには(x=1.5)Niの被覆率θ_<ni>≦3でCOは吸着しないことが示された. 一方n-Si(111)の代わりにp-Si(111)では, 同じ条件でそのようなことは認められなかった. この違いはSio_x膜の性質と厚さに依存すること, n-, P-SiとNiとの相互作用によりNiの電子状態が変化することによることが分かった. (2)Ni/Si(111)系では, シリサイドが形成したときと, そうでないときではCO吸着に関して顕著な違いがみられた. θ_<ni>≦2の領域では室温でCOは吸着し, その一部は解離するが, θ_<ni>≦5の近傍では, 室温でCOの吸着は起こらないことが示された. またθ_<ni>≧10以上では室温でCOの分子状吸着のみが認められた. 通常清浄Ni表面では室温でCOは分子状で吸着し解離することがない. このようなことからSi(111)上のNiはθ_<ni>≦2の領域バルクNiとは異なった状態にある. このようにシリサイド生成に到る過程で室温でCO解離が起こる新しい表面を創りだすことができた. (3)またMgO, AL_2O_3表面にメトキシメチルシランを用いSi0_x/MgOおよびSiO_x/AL_2O_3系を調製しそれらの構造と反応性について調べた. その結果かSio_x/MgOではMgOの界面酸素原子を共有し歪んだμ_2構造でSio_xの酸素原子の電子密度の増加が認められた. Si0_x/AL_2O_3からSi0_xの電子移動が起こることが示唆された. またこの系は1-ブテン異性化に顕著な活性を示した. さらに機能性表面の開発を進める予定である.
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)