Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 秀康 国立極地研究所, 資料系, 助手 (10113896)
中村 昇 神戸大学, 理学部, 助教授 (90030791)
久城 育夫 東京大学, 理学部, 教授 (80011526)
岡野 純 大阪大学, 教養部, 教授 (10028087)
古在 由秀 東京大学, 東京天文台, 教授 (70012789)
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Budget Amount *help |
¥12,000,000 (Direct Cost: ¥12,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥12,000,000 (Direct Cost: ¥12,000,000)
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Research Abstract |
隕石に関する化学的, 物理学的及び岩石学的研究により, 太陽系形成時の物理化学的諸条件, 原始太陽系を構成した物質の特徴や起源, あるいは原始太陽系における出来事を明らかにすると共に, 出来事の起こった年代を推定することが本研究の目的である. 本年度の成果の主たるものは以下の通りである. (1)ダイオジェナイト(エコンドライトの一種)について, 初めて精度の良い年代がRb-Sr法により得られた. その年代44億年は, 同じエコンドライトであるユークライトよりも1億年若く, エコンドライトの従来の成因に再検討の必要があることを指摘した. (2)月隕石についてのRb-Sr同位体系, 希土類元素パターンにみられるCe異常及び主成分組織等により, 月の歴史の初期における水の存在を裏付ける結果が得られた. (3)月隕石中のショックメルトした試料について7億年のRb-Sr年代を求めた. そして, これはTychoクレータの形成年代に対応することを指摘した. (4)コンドルールの希土類元素パターンは, コンドルールごとに様々な程度に分別をしていることを明らかにし,2つの成分が混合した可能性を示した. (5)Allende隕石中のコンドルールについて, ^<24>Mg過剰成分混入度が鉱物組織により異なることを見いだした. そしてそれが形成時の加熱条件の違いの反映であることを指摘するとともに, 太陽系星雲と系外星雲との衝突時におけるコンドルールの再溶融形成モデルを提唱した. (6)初期太陽系星雲の条件を再現し, その条件下でカンラン石, 輝石その他の隕石鉱物の蒸発・凝縮実験を行い, これらの鉱物の蒸発過程及び物理的条件を検討した. (7)南極隕石の分類を進め, Yamato-82隕石中Yamato-86隕石中より1つずつのC1炭素質隕石を見いだした. (8)小惑星の族に属するものと同一軌道半径のもとで族に属さないものの間での明るさの分布の差異について調べた.
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