Project/Area Number |
62611503
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
下山 晃 筑波大学, 化学系, 助教授 (30134084)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥6,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥6,500,000)
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Keywords | 隕石有機物 / 炭素と窒素量 / 隕石アミノ酸 / 隕石カルボン酸 / 隕石炭化水素 |
Research Abstract |
本研究は炭素質隕石中に存在する有機物を明らかにし, 有機物と隕石およびその母天体の生成と変遷について考察することを目的とした. まず, 南極炭素質隕石11個について, それらに含まれる炭素量と窒素量を測定した. これらのうちCとN値が最大のものはY-791198隕石で, それらの値は2.32%と0.13%であった. これらの南極炭素質隕石のCとNの値の関係を求めると, 10gN=1.84 10gC-146 の式で表わされ, この式の相関係数は0.97である. 非南極隕石について同様にCとNの関係を求めると, 相関係数は南極隕石のものより低い値を示す. この式はCとNの値が大きくなるとN値の増加率が大きくなることを示しており, 有機物が覆い隕石ではそこに含まれる有機物は窒素化合物に富むことを示している. 事実, 炭素質隕石はC3, C2, C1の順で高温から低温の凝縮物へ変る. この順でCとN値も増加し有機物量が多くなることが知られており, 本研究結果を支持する. 抽出性有機化合物としてアミノ酸, カルボン酸, 炭化水素について分析した. Y-791198隕石はアミノ酸量が最大であることが判明し, そこに含まれるアミノ酸はタンパク性とともに非タンパク性のもの, また光学異性体はラセミ体だ存在していた. カルボン酸はC_<12>までの脂肪族カルボン酸が検出され, また芳香族カルボン酸も検出された. これらのカルボン酸の特徴は種々の構造異性体を含むことであった. 炭化水素は脂肪族のものではn-アルカンが分岐アルカンよりも優位であった. これに対し, 芳香族のものはナフタレンからピレンまで検出され, ジメチルナフタレンには多くの構造異性体が存在していた. これらの化合物は数〜数百万ng/g試料でY791198には存在していたが, Y-793321隕石からは検出されなかった. これらの結果を検討し, 隕石有機物についての生成や母天体上での変質作用による変換についても考察した.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)