Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 1987: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
|
Research Abstract |
岩石鉱物試料を希ガス雰囲気下で溶解し, 希ガスの溶解度を測定する装置を作製することが本研究の目的の一つであった. その実験のための希ガス混合気体や電気炉の作製を行った. また, 気体質量分析計の自動化のためホール素子を利用した磁力計をつかった質量ピークの自動探知など改良を加えた. こらの装置は組立てを終了し, 基礎データを収集している段階にある. 今後はこの装置を使用して岩石鉱物試料の種類, 温度, 圧力など実験条件を変化させて溶解度の測定を行っていく計画である. 本研究の目的として, 溶解度だけでなく他の物理化学的な希ガスの取込み機構についても実験を行うことがあった. その1つとして水素, メタンの混合ガスからダイヤモンドが気相成長する際に多量の希ガスを捕獲することについての実験を従来の機器を用いて行った. 希ガスの取込み機構として従来は物理吸着が最も大量の希ガスを捕獲することが知られていたが, 気相成長のダイヤモンドもそれと同程度の効率で希ガスを取込むことが知れた. しかも物理吸着では希ガスは低温で放出されるのに対し, 気相成長ダイヤモンドは2000°C近い高温まで希ガスを保持していることがわかり, 原始太陽系内でのダイヤモンドの生成とも関連して宇宙化学の研究上大変重要であると思われる. また衝撃合成ダイヤモンドの希ガス測定から, イオンインプラテーションによると思われる希ガスの取込み機構も調べた. これによる希ガス取込みは気相成長ダイヤモンドによるものよりも約1桁効率が悪い. しかし, 衝撃圧による変化など今後も研究していく必要がある. その他地熱水系に析出してくる無定形シリカの希ガスを測定し, 特に思い希ガスのXeが地熱水の温度ときれいに相関することを発見した. 無定形シリカのどのサイトに希ガスが取り込まれるかなども今後の研究課題である.
|