発がん促進物質によるアラキドン酸代謝亢進機序解明に関する研究
Project/Area Number |
62614501
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大内 和雄 東北大学, 薬学部, 助教授 (20006357)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 発がん促進物質 / アラキドン酸代謝 / TPA / teleacrdin / okadaic acid / staurosparine / gossypol |
Research Abstract |
Non-TPA-Typeの発がん促進物質として発見されたthapsigarginも, 従来の発がん促進物質と同様に, きわめて微量で細胞のアラキドン酸代謝を亢進させる作用があることを代表者は明らかにしていたので, この物質がいかなる機序でアラキドン酸代謝を亢進させるか解析を加えた. その結果thapsigarginはTPA-typeの発がん促進物質とは異なり, 細胞内にCa^<2+>をとりこむことがひきがねになってアラキドン酸代謝を亢進させることが明らかとなった. またproteinkinaseの阻害剤によりTPA-typeの発がん促進物質によるアキラドン酸代謝亢進は抑制されるのに対し, thapsigarginによるアラキドン酸代謝亢進はprotein・kinase阻害剤により全く影響をうけないことが明らかとなった. このようにthapsigarginはTAP-typeの発がん促進物質とは異なる作用機序によってアラキドン酸代謝を亢進させることが判明した. また今年度さらに新しい発がん促進物質としてokadaicacidが発見されたが, この物質も従来の発がん促進物質と同様にきわめて微量で細胞のアラキドン酸代謝を亢進させる作用があり, その作用発言には数時間のtime lagが必要であることを明らかにした. したがって, 発がん促進物質にはそのtypeを問わずきわめて微量で細胞のアラキドン酸代謝を亢進させる作用があるという代表者の提出した仮説の正しさがさらにうらづけられることとなった. さらに発がん促進作用と抑制作用の相反する作用をあわせもつ物質としてstaurosporineが発見されたが, この物質も, きわめて微量で細胞のアラキドン酸代謝を亢進させる作用があり, doseを高くするとTPAやteleacidinなどの発がん促進物質によって誘発されるアラキドン酸代謝亢進を抑制する作用があらわれることを明らかにした. また, 両typeの発がん促進物質によるアラキドン酸代謝亢進を抑制できる物質としてgossypolが有用であることを明らかにした.
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)