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¥15,000,000 (Direct Cost: ¥15,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥15,000,000 (Direct Cost: ¥15,000,000)
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Research Abstract |
この研究は発癌の促進と仰制のメカニズムを, 発癌実験から遺伝子解析までの広い範囲の技術を用い, 外来性因子・内在性因子の両面から分析しようとするものである. 1.発癌プロモーションにおけるCキナーゼの役割:実際に発癌プロモーションのみられるマウス皮膚の実験薬を用い, TPA塗布によって細胞質から膜画分にCキナーゼが移行し活性化することを認めた. このとき表皮層の34K, 40Kに蛋白が特異的にリン酸化されることを見い出したが, その構造と性質を固定することはできなかった. また, Cキナーゼの特異的阻害剤staurosporineがTPAによるオルニチン脱炭酸酵素誘導と発癌プロモーションを仰制することを見い出した. 2.癌細胞におけるCキナーゼの役割:ras遺伝子を導入したラット線維芽細胞ではPIキナーゼ, PIPキナーゼが促進し, DGキナーゼが低下していた. この不均衡の結果, 細胞内DG値が上昇し, Cキナーゼが活性化され, ダウンレギュレーションを受けていることがわかった. 3.発癌プロモーションによる活性酸素の投出:ヒト白血病細胞U937をホルボールエステルで処理すると活性酸素が放出され, 細胞内PHが上昇することを観察した. この反応はCキナーゼ阻害剤H-7で抑えられた. 4.発癌におけるメタロチオネインの役割:活性型ビタミンDがメタロチオネイン遺伝子の強力な誘導作用をもつことをラット表皮由来FRSK細胞を用いて明らかにした. 活性型ビタミンDは, 生体内においても肝, 腎, 皮膚のメタロチオネインを誘導した. 誘導のメカニズムとしては, ホルモン・受容体複合体がcisエレメントに結合する直接誘導のほかに, 高カルシウム血症を経由する間接的なメカニズムも考えられる.
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