Budget Amount *help |
¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
|
Research Abstract |
(1)ATL細胞のIL-1産出能:ATLにおける高カルシウム血症の機序の解明のために破骨細胞活性化因子として知られるIL-1がATL細胞で産出されていないかを検索した. ATL患者末血単球除去後3日間培養後の上清にIL-1活性が9例中8例に認められ, 活性は抗IL-1β抗体で中和された. またノーザン法により6例中5例にIL-1βのmRNAが多量検出された. (2)ラットにおける人工env蛋白を用いたHTLV-Iの感染阻止:大腸菌を用いて作製した人工env蛋白(envとβ-galが融合した蛋白)を用いてラットを免疫しHTLV-Iの感染阻止を試みたところ, 非免疫群はMT-2の5×10^4静注で抗体陽転し, 投与6週後の末血リンパ球培養により抗原が検出されたが, 免疫群では5×10^6投与でも抗原は検出されなかった. (3)ATL細胞における種々の活性化抗原の発現:ATL細胞では正常T細胞に比して急性, 慢性にかかわらず, C_<5, C>8の発現が強く, またOKT9, CD38, Ki-67抗原は急性例に明らかに強く発現している. またHLA-DR抗原は慢性例で強く発現し, 急性例は正常T細胞と同程度の発現であった. 慢性例ではHLA-DR抗原がATL細胞増殖を抑制しているかも知れぬ. (4)ATL細胞のT3-T細胞受容体:急性例のATL細胞を^<35>Sメチオニンおよび^<36>Sシステインで標識し可溶化後にOKT3による免疫沈降物をSDS-PAGE解析したところT3S鎖相当の20Kのバンドが認められ, しかも正常T細胞やT4-CLL細胞より若干強い. したがって表面のT3抗原は減少しているが合成はむしろ高い. ノーザンによりmRNAレベルでも発現増強を認めた. (5)ATL細胞T細胞受容体の認識抗原:慢性ATL患者から樹立したHTLV-I感染T細胞に対して同一患者の新鮮ATL細胞が反応して増殖する現象を見出し, これがHTLV-Iとは関係なく, 自己のHLA抗原を認識している可能性があることを明らかにした.
|