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¥15,000,000 (Direct Cost: ¥15,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥15,000,000 (Direct Cost: ¥15,000,000)
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Research Abstract |
癌増殖局所により分離したリンパ球を, rIL-2, MMc処理癌細胞でin vitro感作を続けることにより, 特異的なキラー活性をもつT細胞を選択し, 長期培養できることを確認した. しかも自家癌に特異的なキラーT細胞をクローン化することも可能であることが示された. TcHMC-1はHMC-1に特異的に細胞障害活性を示し, K562等に対しては全くキラー活性を示さない. 一方HMC-1はヒト正常人のNK細胞に全く感受性を示さなかった. 更にOKT3, OKT8, classIなどモノクローナル抗体を用いた実験により, このペアはヒトにおける極めて秀れたCTLのモデルであることがわかった. このキラー活性をブロックするHMC-1に対するモノクローナル抗体3A2はこのペアの細胞障害機構に直接関係するHMC-1上の癌抗原であることが示唆された. HMC-1-8が由来した原発乳癌組織を3A2を用いて免疫組織化学的に検索したところ, 患者の乳癌細胞に強く抗原の局在を認め, 一部は腺管内腔にも陽性所見をみた. 一方, 同一患者の正常乳腺組織には全く3A2との反応を認めなかった. これはヒトにおける癌拒絶抗原の可能性を意味するものであり, 物質的な同定は現在進行中である. また癌抗原としての他に, 癌細胞破壊を誘導するのに必要なcell adhesion maleculeなどの可能性を完全には否定できず, この点についての検討を行っている. また既報のHMC-1よりのn-butanal extractの精製分子との異同も検討中である. 以上の成績は人癌における次のようなアプローチの足がかりとなるものである. (1)T細胞による自家癌細胞破壊機序の解析. (2)自家癌拒絶抗原を認識するT細胞受容体の解析. (3)自家癌の認識, 免疫成立における免疫調整リンフォカインの解析. (4)人癌の自己の癌細胞特異的キラーT細胞クローンの受身移入による癌免疫療法の追求.
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