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¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
我々は既にR100の接合に必要な遺伝子を含む領域(tra)33Kbの1/3以上に相当する領域の塩基配列を決定した. 本年度においては特に興味のあるoriT-(tinP)-traJ-traYとtraI-finO領域を解析し, 次の結果を得た. (1)負の制御遺伝子finOとfinP:finO遺伝子は, もう一つの遺伝子finPと協同し, tra遺伝子群を負に制御する. 本研究に於て, finOが約21Kdの蛋白をコードする遺伝子であることを示した. プラスミド下にもfinO遺伝子が存在するがそれが挿入因子IS3により不活化されていることも明らかにした. 一方, finPは, 約90塩基からなるRNAをコードする遺伝子であり, その産物はtra遺伝子群を正に制御する遺伝子traJのmRNAとは逆向きに転写されるanti-mRNAであることを明らかにした. (2)正に制御する遺伝子traJ: traJ遺伝子の塩基配列を決定すると共に, traJ遺伝子制御下にあるオペロンの最初の遺伝子であるtraYがtraJ遺伝子の有無により, その発現が変動することを実証することにより, R100のtraJが確かに正の制御を行うことを明らかにした. (3)traY遺伝子物産の解析: traY遺伝子産物を, TraY-Collagen-LacZの複合蛋白質として精製し, それをcollagenaseで処理することによって単離できることを示した. 複合蛋白質とcollagenase処理により得られる蛋白がともにDNA結合蛋白質でありoriT領域と特異的に結合するものであることがわかった. これらの蛋白のN末のアミノ酸を決定することにより, traY遺伝子はTTGを開始コドンとするものであることも明らかにした.
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