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¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
イノシトールりん脂質の細胞機能における役割, 特に細胞複製における役割について研究を行った. イノシトールりん脂質に関与する突然変異株を分離するためにイノシトールりん脂質に対するモノクローナル抗体を作製し, その抗体を電気穿孔法を用いて細胞またはプロトプラスト化した細胞を処理することによって, その抗体に感受性株を単離する方法で開発した. イノシトールりん脂質の中でキーサブスタンスはPIP2であることから, まずPIP2に対する抗体を常法に従って作製した. そしてこの抗体で細胞を処理すると細胞は一時的に増殖を停止する. イノシトールりん脂質の哺乳動物の研究結果から類推すると, 細胞周期のG1期に必要ではないかと考えられた. そこで温度感受性でG1期に停止する突然変異株を多数分離した. これらの株について抗体に対する感受性を調べた結果, 感受性になった株が5種類と耐性になったが1種類単離することができた. 感受性株の内2種類の株は制限温度下でPIP2を電気穿孔法により細胞に導入してやると細胞増殖が回復した. この結果はPIP2が細胞増殖に必要であることを示している. さらに哺乳動物ではイノシトールリン脂質代謝について解析が進みつつあるが不明な点が多い. 酵母においてもその生化学的性状を明らかにする必要があるので, PIからPIPを合成するPItinose, PIPからPIP2を合成するPIPkniseの活性の測定法を確立した. またこの逆反応を行うホスファターゼについても同様に行った. さらに中間代謝産物の定量法をも確立し, イノシトールりん脂質の代謝を追究することが可能になった.
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