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¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
細胞の複製は染色体の複製, 特にその開始反応が重要な調節過程である. そこで, 本研究はプラスミドR6Kをモデルレプリコンとして, イニシェーターπ蛋白が複製開始点を含む制御DNAをいかに厳密に識別し, 結合し, 複製の開始と調節にあずかるかを解明しようとするものである. 1.イニシェーターπ蛋白の複製調節機能ドメインについて. プラスミドシステムでは, 細胞周期あたりの複製開始頻度をプラスミドのコピー数として容易に定量できる. そこでコピー数を変化させるπ蛋白変異の構造と機能分析を行い, 本蛋白の機能ドメインなどを解明した. (1)tsおよびcop変異π蛋白の構造と機能解析. コピー数を減増させるts22およびtrcop21変異はπ蛋白遺伝子上にマップされ, それぞれ305アミノ酸からなるπ蛋白の1アミノ酸の置換によることが判明した. また, cop21変異はコピー調節機能において, 野性株に対して劣性であった. (2)π蛋白の複製開始調節機能ドメイン領域は, コピー数を変化させる6種の変異の解析より, 305個のアミノ酸からなるπ蛋白の中央分の82個内に局在することが示された. (3)π蛋白のoriDNAへの結合ドメインは, 欠失変異株の解析より, 本蛋白のC末端側に存在することが明らかになった. このようなイニシエーター蛋白の機能ドメインの解明は, 宿主複製蛋白を含めての開始複合体の形成, その高次構造の解析を容易にする. 2.π蛋白によるoriγ領域における転写活性の滅衰. π蛋白は複製開始に必須のori領域での転写を滅衰させることを, oriγ-1acZ融合プラスミドを用いて証明した. しかも, この活性がoriDNAへの結合能が増加したcop変異π蛋白により強く発現された実験結果は, ori領域での転写あるいは転写産物が複製開始と調節に, 直接関与することを明示した.
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