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¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
酵母サッカロミセス・セレビシェは真核生物にもかかわらず大腸菌と同程度の分子遺伝学的手法が駆使でき, 真核生物のモデルケースとなっている. 細胞増殖という最も基本的研究テーマに対し, 有効な材料といえる. 本研究では, ミニ染色体のコピー数調節を利用して単離された温度感受性株の相補テストを行い, 10種類以上のグループに分類された. そのうち, GI期よりS期への移行がブロックされたと考えられるts46株について解析した. 1.形態変化: ts46株を26°Cで増殖させ, 36°Cにシフトアップして形態観察すると, 大きな芽を出して止まっている細胞が多かった. ミトコンドリアを脱落させたρ°株を用いて, DAPI蛍光染色すると, 大部分の核は母細胞にとどまっていた. 2.DNA合成:ジフェニルアミン法によりDNA合成能を調べたところ, 温度シフト後のDNA合成増加は, 200分後で18%しかなかった. 26°Cのコントロールでは, 280%の増加であった. 3.遺伝子クローニング:YEp24をベクターとする遺伝子バンクよりts性を相補するプラスミドを単離し, 必須領域を決定した. 4.YIp型ベクターにつなぎ, 相同組み換えにより染色体にintegrateさせた後, ランダムスポアー法を行ったところ, 5%がtsであった. 連鎖を示したことから, tsを相補した遺伝子そのものをクローンしたと考えられる. 5.mRNAの検出:必須領域をプローブとして, 全RNAのノザンハイブリダイゼーションを行い, 2.5kbに強いバンドを検出した. 6.OFAGEによるマッピング:OFAGEシステムにより分離した染色体に, 必須領域をプローブとしてサザンハイブリダイゼーションを行い, 染色体7番に由来することが判った. 今後は, DNA合成のより詳細な実験, 細胞周期におけるexecution pointの決定, 遺伝子一次構造の決定などを行い, 遺伝子産物の細胞増殖における役割について研究する.
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