Research Abstract |
H.halobiumのNa^+/H^+交換輸送系の動作機構の解明については, (1)Fccp等のプロトノフオアが存在しても, Na^+が細胞内に存在する限り, 光照射によるΔPH→Δψ変換は起こることから, Na^+がΔψ維持に直接関係していることを明らかにした(Biochem InT.15, 215). (2)このΔPH→Δψ変換と^<22>Na排出のDCCD阻害濃度の一致から, ΔPH→ΔψはDCCD感受性Na^+/H^+アンチポータ活性によることを証明し, 更に各種イオノフオアの影響から, Na^+排出は約100mVの内側負のΔψでゲートされていることを示唆した(J.Biochem, 103, 231). (3)暗所で人工的にΔPH, Δψを負荷して^<22>Na^+排出を検討し, H.halobiumのNa^+/H^+アンチポータは, 内側100mV以上のΔψと外側酸性のΔPHが負荷された時にのみNa^+排出の起こるΔμ^^〜H^+駆動るNa^+ポンプであることを明らかにした(FEBS Lett.226, 270)(4)更に^<22>Na排出に対する溶液PHの影響を調べ, 細胞膜外側にあるPKa〜4.7のH^+解離基のH^+化によってアンチポーター活性が一義的に決められること, 内側にある他のH^+解離基のPKaがΔPHによって増大することがNa^+/H^+アンチポーターの駆動機構となっていること, ΔψはΔPHが作用する中間体の量を決めているらしいこと等を明らかにした(第13回生体エネルギー研究会発表, 1987年12月)現在, Na^+の濃度を変化させ, Na^+結合部位に対するΔPH, Δψの影響を速度論的に検討し, H^+流入とNa^+排出の共役機構の解析を更に進めている. 一方, Na^+/H^+アンチポーターの可溶化, 再構成については, ^<14>C-DCCD標識膜標品を各種界面活性剤で可溶化し, 可溶化効率を調べた結果, CHAPS, MEGAで安定した可溶化が達成でき, 可溶化標品をハイドロキシルアパタイトカラムで分離して, 低分子量DCCD-結合因子をSDS-PAGEでほぼ単一バンドにまで精製できることが解った. 現在この因子の蛋白化学的性質を検討中である.
|