Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 常行 九州大学, 理学部, 助教授 (10108649)
石和 貞男 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (20017205)
高畑 尚之 国立遺伝学研究所, 集団遺伝部, 助教授 (30124217)
太田 朋子 国立遺伝学研究所, 集団遺伝部, 教授 (80000256)
木村 資生 国立遺伝学研究所, 集団遺伝部, 教授 (20000226)
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Budget Amount *help |
¥37,400,000 (Direct Cost: ¥37,400,000)
Fiscal Year 1987: ¥37,400,000 (Direct Cost: ¥37,400,000)
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Research Abstract |
集団遺伝子研究班は, 理論・実験の両面にわたり以下のような成果をあげることができた. (1)理論集団遺伝学的研究:分子進化速度については, 最近になってヒトのように一世代が長いものはネズミ類のように世代が短いものに比べ, 年あたりの進化速度が少し遅いことを示すデータが出てきた. これは世代の長さが大きいもの程, 中立突然変異率が小さくなる傾向を持つと仮定して説明される. この説明の妥当性を検討するための進化速度を求める統計的方法を考察した. 遺伝子系図学については, 種分化の時に極端に小さくなる集団の大きさを考慮して教理的解析を行うことができた. 多種遺伝子族の進化については免疫グロブリンやチトクロームP450のような多様な機能を持つ多重遺伝子の起源について, 集団遺伝学によるモデルを作り解析した. (2)実験集団遺伝学的研究:キイロショウジュウバエを用いて, Gpdh遺伝子座を対象としてヌクレオチドレベルにおける遺伝子の多型と進化を追求している. 種内にこの遺伝子座の重複多型があることがわかり, この異変の起源と適応的意義を探るために, その全遺伝子の構造を決定し, ヌクレオチド置換を調査した. また, キイロショウジョウバエにおいて, 生存に有利であったと推定される遺伝的変異を探索している. Adh遺伝子の3'下流域にトランスポゾン様因子を持つ逆位染色体の頻度が中立説で期待されるよりかなり高く, 生存に有利であった可能性が考えられる. ミトコンドリアDNAを用いて, キイロショウジョウバエの種内, 近緑種間の変異を, ヌクレオチドレベルで定量し, 進化速度を詳細に検討して, 中立説の予測を検証している. また, 核DNAにくらべると, 進化速度が速いので, これを用いてヒトの集団や, サルの系統関係を解析中である.
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