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¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
制限酵素によるDNA断片長の多型(RFLP, またはDNA多型)は遺伝子の座位を決定する上で極めて有効なアーカーである. 生化学的には全く解明できなかった遺伝病の病因遺伝子がDNA多型を利用してマップ可能となった. この方面の研究は主として欧米で先行したため, DNA多型を示すプローブのほとんど全てが欧米人のDNAを組込み, 欧米人集団を検定して樹立分離されたものである. 欧米人集団で2〜3種類の対立遺伝子を示すと報告されている合計40クローンを収集し, 60〜120人規模の日本人集団で多型を検討し, 次の結果う得た. 1.日本人集団で欧米人集団と同様な多型が検出され, かつ対立遺伝子頻度にほとんど差が無かったクローン, 21種類. 2.日本人集団で欧米人集団と同様な多型が検出されたが, その対立遺伝子頻度に大きな差があったクローン, 10種類. 3.日本人集団で基本的に多型を示さず, 欧米人集団で見られる対立遺伝子のうち1種類がほぼ1.00頻度であったクローン, 5種類. 4.日本人集団で検出された多型は欧米人集団で報告されている多型と異なったクローン, 4種類. たとえばD19S8は欧米人集団では2.5と2.8kbの対立遺伝子が0.55と0.44存在するが, 日本人集団では2.5kbと見掛け上DNA断片を検出しないヌルとが0.31と0.69存在し, 2.8kbは0.01以下であった. 小数の他のアジア民族を検討したところ, 韓国人は日本人と同様であったが, 中国人には容易に2.8kbが見出された. 現在このような日本人集団におけるデーターの集積に努力している. また欧米人のデーターの一部に不正確な点を認めたので, これについても検討を集めた. これらの結果が一定量集積できれば, ヒトの進化, 人種の分化, 民族の起源の研究に重要な基礎データーとなると期待している.
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