チラコイド膜光化学系II反応中心タンパク質の光分解とその修復機構
Project/Area Number |
62621505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅田 浩二 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (50027182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 正昭 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (30027198)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 光合成 / 酵素 / 活性酸素 / Q_B結合タンパク質 / 光障害 / プラストキノン / アフィニティークロマトグラフィー / 除草剤 |
Research Abstract |
光化学系IIのQ_B結合タンパク質は他のチラコイド膜タンパク質に比べて強い光の中では寿命が短く分解され低分子化するが速やかな生合成によって修復されている. 本研究では光化学系II活性の阻害の原因となる活性分子を明らかにしタンパク質分解の分子機構について調べた. 光化学系II活性の強光阻害は嫌気条件下でさらに促進された. 全く電子滋養体のないときには光障害は大きく, タンパク質の損傷が活性酸素だけではなく励起3重項分子などによっても生ずることを示唆する. しかし1%酸素は光失活の抑制効果があることを本実験で認めた. 1%の酸素が電子受容体として反応中心分子にできたラジカルを消去しQ_B結合タンパク質の損傷を抑えている. 嫌気条件下の阻害ではクロロフィルの蛍光は高くなり活性酸素による阻害で見られる蛍光の消光とは明かに異なる別の阻害機構がある. Q_B結合タンパク質の光分解はいずれの阻害の場合にも活性の低下との相関がなくタンパク質の分解はアミノ酸残基の酸化などによる失活に欠ぐ現象であった. 光損傷の分子機構を明らかにするためにはQ_B結合タンパク質の単離法が必須である. 光化学系II膜のSDS-リシルエンドペプチダーゼ処理後TSK-ゲルP3000SWを用いた高速ゲル濾過によりQ_B結合タンパク質の精製法を確立した. 単離されたタンパク質は265nmに吸収ピークを示しプラストキノンを少なくとも2分子結合していることを初めて実証した. D2タンパクもC末とN末の一部を失った28KDaのペプチド断片として得られた. プラストキノンの結合は認められなかったがコムギからはフェオフィチンを結合したD2タンパクが得られその抗体は34KDaのD2タンパクと反応し28KDaペプチドはD2の一部であることが証明された. さらに, アトラジン誘導体のアフィニティーカラムを用いるQ_B結合タンパク質の1ステップ分離法を開発した. この単離法によりほとんど自然な状態に近いQ_B結合タンパク質が得られた.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)