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¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
中・間脳接合領域に存在するFore1野H(FFH)と頸筋運動ニューロンとの接合様式を調べ, 以下の結果を得た. 1.HRPを一側のC_2脊髄節に注入すると, 注入側のFFHの中-大型の細胞(30〜40μm)が選択的に標識された. 次にFFHニューロンの脊髄投射レベルう調べると, 脊髄に投射したものの大部分(83%)はC_1-C_3脊髄節に終止し, C_7頸髄まで下行するものは17%であった. C_1-C_3頸髄で微小電流刺激を行い, 誘発される逆行性スパイクの閾値, 潜時を指標にFFHニューロンの上部頸髄での分技様式を調べた結果, 主軸索は前索内側を下行し, 軸索側技を前角の頸運動核, 及びその周辺のVIII層に派生していることが分かった. 頭挙上筋(Bcc), 頭外側屈筋(SPL)運動ニューロンから細胞内記録を行い, FFHの刺激効果を調べた. 100-200μvの単シナプス性EPSPがほぼ選択的にBCC運動ニューロンに誘発された. FFH付近を系統的にmappingして刺激有効部位を調べると, それはFFHに限局していた. 2.FFHに2-3発の反復刺激を与えると, 単シナプス性EPSPの上に2シナプス性EPSPが誘発された. この効果はBCC運動ニューロンに特異的であり, 以下の理由で橋, 延髄の網様体脊髄路細胞(RSN)を介することが分かった. HRPを橋・延髄内側網様体(PPMR)に注入するとFFHの大部分の細胞が標識された. 脳幹刺激による逆行性スパイクの潜時, 閾値を系統的にmapした結果, FFHニューロンがPPMRに豊富に分枝することが分かった. PPMRのRSNから細胞内記録を行い, FFHの刺激効果を調べると, 単シナブス性EPSPが高頻度に記録された. このEPSPの刺激誘発有効部位はFFHに限られた. 既に我々はPPMRのRSNは頸筋運動ニューロンと直接接合することを明らかにしているので, 上記の2シナプス性EPSPはRSNを介するものと考えられる. 以上の結果はFFHニューロンは頭の挙上運動の制御に関することを示唆する.
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