Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
運動系の細胞の変性に対する修復には様々な機序が考えらるが, 再生能力の非常に乏しい脳内の神経細胞の場合, シナプス発芽が非常に重要な役割を果たしていると考えられる. 本研究の目的は, 入力線維の損傷によって赤核脊髄細胞に起るシナプス発芽の分子機構を明らかにすることである. 具体的方法としては主としてモノクローナル抗体と遺伝子組み換えの技術を用いて発芽制御因子の同定を試みる. 赤核脊髄路細胞における発芽は, 単にその変性に対する修復機構として現象面における理解が進んでいるばかりではなく, 運動学習の基礎となっている可能性もあり, 本研究によって運動系の制御・調節に関する理解が一段と深まることが期待される. 上記目的達成のため, 本年度は赤核に生じた変性の結果生ずるシナプス結合の再構成に関して詳細な解析をおこなった. 幼弱期のネコの大脳皮質の一側性の損傷によって, 正常では殆ど存在しない交差性の大脳-赤核投射が出現することについては既に報告したが, 本研究ではまず異常な交差性投射についても体部位局在が存在するか否かを皮質の様々な部位にレクチン(PHA-L)注入することによって調べた. 次に標的細胞である赤核脊髄路細胞をその軸索を切断することによって変性させた時に交差性投射の出現に変化が起るか否かを確かめた. その結果, 皮質の損傷によって生ずる交差性投射にも体部位局在があること及び, 赤核脊髄路細胞の変性によって交差性線維の出現が抑えられることが判明した. これらの事実は, 異常な交差性投射が出現する際にも, 投射の部位局在を定めるような分子機構が存在すること及び, 交差性投射の形成には標的細胞に出現する分子が何らかの役割を果たしていることを示唆する.
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