Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 敏 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90057026)
平 則夫 東北大学, 医学部, 教授 (60004553)
中村 隆雄 大阪大学, 理学部, 教授 (30028112)
竹田 亮裕 金沢大学, 医学部, 教授 (50019535)
栗山 煕 九州大学, 医学部, 教授 (40037495)
|
Budget Amount *help |
¥16,000,000 (Direct Cost: ¥16,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥16,000,000 (Direct Cost: ¥16,000,000)
|
Research Abstract |
1.心筋収縮・弛緩制御と心作動物質:Ca指示薬による細胞内Ca動態計測や二連イオン選択性電極によるK^+Na^+イオン動態計測を, 単離心筋細胞や乳頭筋標本について行なうことにより研究が進められつつある. NaD^+K^Tポンプ阻害時に細胞内Ca^<++>が増加し, 収縮機能が亢進すること, β受容体刺激時に細胞内Ca^<++>トランジェントが変化して収縮力が増強することが知られた. また, CAMPホスホジエステラーゼやK^+チャネル阻害物質, トロポニンのCa^<++>結合能に影響する物質などが新しい強心作動物質として見出され, その機序が検討されている. 2.心筋電気活動の制御と心作動物質:細胞内Na^+, K^+, Ca^<++>活性やNa^+チャネルに対する結合・解離反応の測定, 単一心筋細胞におけるパッチクランプ法の応用により, 各種心作動物質の作用機序を究明しつつある. Na^+チャネル抑制物質と一括されていた一群の抗不整脈薬の中に, Na^+チャネルに対する結合・解離動態の異なる二種類のものの存在することが示された. アセチルコリン, アデノシンについては膜受容体と心筋K^+チャネルを共役するGタンパクとMg^<++>の重要性が知られ, また, キニジンとジソピラミドの抗コリン作用がそれぞれK^+チャネル, アセチルコリン受容体に直接作用することによることが示された. 3.新しい内因性心作動性物質と心筋細胞機能制御:内因性ジギタリス様物質は, 現在, ヒト尿から分離・精製が試みられている. 同時にこの粗精製物質による生物作用の検討もすすめられている. 心房性ナトリウム利尿ペプチドの血管拡張・利尿作用についも研究が展開中である. 脂肪酸結合タンパクの定量ならびにその脂肪酸結合能測定が病態モデルに適用され, これが細胞内脂肪酸増加に抑制的に働くことが推定されている. 以上, 心筋細胞の生理的・病的状態における外因性・内因性心作動物質の作用機転を解明するという方向での研究が進行中である.
|