Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芹澤 剛 東京大学, 医学部, 助手 (90143429)
鈴木 紘一 東京都臨床研, 遺伝情報研究部, 部長 (80011948)
水上 茂樹 九州大学, 医学部, 教授 (90037325)
高井 義美 神戸大学, 医学部, 教授 (60093514)
豊岡 照彦 東京大学, 保健センター, 講師 (00146151)
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Budget Amount *help |
¥18,000,000 (Direct Cost: ¥18,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥18,000,000 (Direct Cost: ¥18,000,000)
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Research Abstract |
心筋細胞におけるイノシトールリン酸(PI)代謝を介する細胞膜受容伝達機構にGTP結合蛋白質が関与することや, 本機構が血管平滑筋細胞の増殖に関与することを明らかにした. また, 線維芽細胞において血小板由来細胞増殖因子や線維芽細胞増殖因子による細胞性癌遺伝子c-fosとc-nyc遺伝子の発現にPI代謝を介する受容体伝達機構が関与することを解明した. Ca依存性プロテアーゼは, 心筋虚血の初期にトロポニンや乙板を選択的に分解することを報告し, また, CANP阻害薬を開発し, これにより虚血心筋の初期の変性, 壊死を一次的に阻止できることを明らかにした. 心筋虚血での血流再開時障害の主因として脂質過酸化反応が考えられているがその発生部位は, NADH dehydragenaseに2ケ所とC_0O_<10>-チトクロムb領域に1ヶ所あることが明らかとなった. また, 虚血状態での不整脈発生の要因として脂肪酸中間代謝体が注目されているが, 虚血部心筋で急増するリゾフォスファチディールユリンは膜の静止電位の維持に最も重要な内向き整流特性を持つ外向きK「電流を個々のイオンチャネルのコンダクタンスを減少させることにより阻害すること, また, 異常自動能は細胞内Ca^<2+>濃度増加に基づく誘発活動であることを明らかにした. 心筋培養系にて, リポキシゲナーゼの基質になりうる不飽和脂肪酸であるアラキドン酸やリノール酸は心筋壊壊を誘発したが, 基質となり得ない不飽和脂肪酸であるオレイン酸や, 飽和脂肪酸であるパルミチン酸やステアリン酸に壊壊効果はなかった. 心筋細胞障害モデルとしての心筋症ハムスターでの心筋細胞表面膜には骨格筋と同様50万以上の高分子蛋白質を認め, 心筋崩壊の機構に関与している可能性が考えられる. ウイルス性心筋炎実験モデルを用いた研究により, 心筋内に主としてヘルパーT細胞が浸潤し, また, 未梢血でもヘルパーT細胞の変動が主であることが明らかとなった.
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