Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢崎 義雄 東京大学, 医学部, 講師 (20101090)
小澤 高将 名古屋大学, 医学部, 教授 (80022771)
河村 慧四郎 大阪医科大学, 教授 (00026832)
滝島 任 東北大学, 医学部, 教授 (20004765)
福崎 恒 神戸大学, 医学部, 教授 (90030824)
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Budget Amount *help |
¥16,000,000 (Direct Cost: ¥16,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥16,000,000 (Direct Cost: ¥16,000,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は心臓の負荷に対する適応機構を細胞レベルから解明することにある. 戸嶋は圧負荷による肥大心を作成し, 48時間後の摘出心で心/体重比は有意な増加をみたがα, β受容体はBmax, Kd共に変化なく, 心筋内エピネフリン量のみ有意差を認めた. α受容体が心肥大に関与していることはすでに証明されているが, 福崎はその情報伝達機構を明らかにするためにイノシトール隣脂質(IP)代謝回転を検討した. その結果NEは濃度依存性にIPを増加させたが, prazosinで抑制された. また, pho-bol esterはα受容体刺激によるIPの増加を抑制することを示した. 心筋の虚血も肥大促進因子の一つと考えられているが, 堀は冠微小血管塞栓モデルを用い, 虚血時のβ受容体変動を調べ, 虚血からの回復後その数の増加により代償していることを明らかにした. 矢崎は負荷時のミオシンアイソザイムの変換機序を明らかにするために, ミオシン重鎖および軽鎖遺伝子をクローニングし, これをプローブにNorthern blctによるmRNAレベルでの解析を行った結果, 圧負荷によりヒト心筋において, ミオシンmRNAの変換が行われること, この機序に圧負荷早期に出現する癌遺伝子の関与が示唆された. 滝島は圧負荷肥大心での代謝を検討し, 糖の取り込みが全体的に高く, とくに内膜側に強いが, これは血流分布とは無関係で負荷に伴う代謝基質転換の未知機構の存在を推測した. 小沢はイソプロテレノール(10mg/kg)の投与による心筋障害の機序を検討し, ホスホリパーゼ活性の増加と心筋ミトコンドリアの電子伝達系活性の低下を見出し, 前者の関与が示唆された. 竹下らはANP分泌の機序を検討し, 心房細胞からのANP分泌の一部は細胞膜の機械的伸縮により生じ, 必ずしも細胞内Ca^<++>増加に依存しないことを明らかにした. 河村は肥大心筋の微細構造を縦枝, 横枝の数から検討し, 縦枝数は求心性と偏心性肥大で増大し, 横枝数は偏心性肥大で半減した.
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